沸騰都市シンガポールを見て
1月31日に、福岡であったTiE(The Indus Entreprenuers)のイベントに参加して、刺激を受けて、そこに登壇していた、スィンハさんが、NHKスペシャルの沸騰都市「東京モンスター」に出るということで、見ました。
非常に、面白かったのですが、その前の回の「シンガポール」の回のほうが、私がバイオ系ということもあり、ショックが大きかったです。ニコニコ動画やyoutubeでは、見つからなかったので、veohTVやpandora経由だと見つかるかもしれません。
日本のバイオ系研究分野の方々のコミュ二ティでは、ああいう「CNS(Cell,Science,Nature)以外は認めない」という考えを推進しすぎるから、捏造が増えるのだという話が持ち上がっていましたね。まあ、それも一理あると思います。
私としては、CNSに載る様な結果が、経済的に役に立つこと(薬になったり、バイオビジネスでの成功)に繋げることが難しく、要は、必ずしもCNSに出たデータだから、経済的には有用であるとはいえないので、その注ぎ込んだお金に見合うだけの経済的な成果が得られるのかなーと、見ていて疑問に思いました。リターンを得るために、莫大な費用と時間が必要となるバイオ業界に(バイオはサイエンスだといっても、明らかになってきてやっと100年かそこらの学問です。まだまだかなりの複雑系なのです。)、国をあげて取り組むと言うことは、非常に危険な賭けのような気がしてなりませんでした。
しかし、賭けなければ、このままシンガポールが沈んでしまう。。。という危機意識から生まれたものなのかもなと思います。そこは、日本も見習うべきとこかなと。悲観的なことを考えるだけでなく、では、どうするか、次の手を考えてうっていく事が大切なのです。シンガポールは独裁色が強い国家なので、日本が同じように真似るということは無理なのですが、少しは危機意識を持って動き出す人が、日本からも多く出ればと思います。
昨年読んだサイエンスビジネスの挑戦という本では、バイオ関係の収益性の低さと、開発、研究の生産性の低さが、存分に、余すことなく書き連ねられていました。バイオ関連ビジネスのことを考えている人間には、いろいろな意味で重たい本です。興味のある方は、どうぞご一読を。
- 作者: ゲイリー・P・ピサノ,池村千秋
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/01/24
- メディア: 単行本
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